SV650Xの実際の燃費はどのくらいなのか。セパハンは扱いやすいのか。そして、無印のSV650とどちらを選ぶといいのか。
カフェレーサーに憧れてSV650Xを購入した僕が、約1年間・約5,000km乗った経験から、その乗り味や使い勝手を振り返ります。
所有していたのは、スズキ SV650X ABSの2023年モデル。街乗りからツーリングまで使い、実燃費は25〜27km/Lでした。扱いやすいVツインエンジンと好みの排気音、そして購入価格への満足感が印象に残っています。
一方で、僕には自分から操作して曲げていく感覚があり、気負わず乗ることを優先するなら無印SV650をすすめたいとも感じました。それでも、カフェレーサースタイルが好きなら、Xを選ぶ価値は十分あると思っています。
そして、所有期間は約1年で終わることに。ただ、SV650Xが嫌になって手放したわけではありません。オンロードを楽しむうちに、また林道やオフロードを走りたくなったことが大きな理由です。
良かったところも気になったところも含めて、購入理由から燃費、積載性、SV650との違い、手放した理由までを紹介します。

- SV650Xを購入した理由|カフェレーサーへの憧れとミドルクラスへの興味
- SV650Xの購入価格は758,010円|2023年モデルをフェスタ車両で購入
- SV650Xのエンジンをレビュー|扱いやすいVツインと好きな排気音
- SV650Xのセパハンとハンドリング|自分で曲げていく楽しさ
- SV650とSV650Xの違い|初めての大型ならどちらを選ぶ?
- SV650Xの実燃費は25〜27km/L|ツーリングでもうれしい長所
- SV650Xの積載性|シートバッグとサイドバッグでツーリングへ
- SV650Xの装備|ヘッドライトと発進を助ける機能
- 気になったところ|テールランプの形は好みと違った
- SV650Xを1年で手放した理由|再び林道を走りたくなった
- SV650Xの1年レビューを振り返って|このスタイルが好きな人へ
SV650Xを購入した理由|カフェレーサーへの憧れとミドルクラスへの興味
当時の僕には、カフェレーサーといえば、ベース車両を買って自分でカスタムして作るもの、というイメージがありました。
そういう楽しみ方にも興味はあったのですが、SV650Xを知って、「最初からこのスタイルで、新車として買えるんだ」と惹かれました。
丸型ヘッドライトに小さなカウル、セパレートハンドル、タックロールシート。自分で一から形にしなくても、憧れていた雰囲気がすでにある。その点が魅力でした。
もう一つは、600〜700ccくらいのミドルクラスにも乗ってみたかったこと。それまで400ccや大型バイクには乗っていましたが、その間の排気量帯がどんな感じなのか気になっていました。
好きなスタイルと、乗ってみたかった排気量。この二つが重なったのがSV650Xでした。

KLX250をきれいに保とうとしすぎていた
購入前は、カワサキのZX-14RとKLX250の2台持ちでした。SV650Xは、KLX250と入れ替える形で購入しています。
KLX250に乗っていたものの、その頃は林道やダートにほとんど行かなくなっていました。理由の一つは、バイクをきれいにしておくことを気にしすぎていたからです。
少し泥が跳ねただけでもすぐに洗車。「林道へ行ったら汚れるな」と考えるようになり、気づけばオフロードバイクなのにオンロードばかり走っていました。
大切にするのはいいことですが、今振り返ると、KLX250で林道へ行かなかったのは少しもったいなかったですね。
それなら一度、オンロードのミドルクラスに乗ってみよう。そう考えてKLX250を売却し、SV650Xを迎えることにしました。
SV650Xの購入価格は758,010円|2023年モデルをフェスタ車両で購入
KLX250を売却したのも、SV650Xを購入したのもレッドバロンです。購入したのは、通常の在庫車ではなく、「フェスタ車両」として販売されていた車両でした。
僕が購入した際の認識では、展示されていて、来店者が跨ったり、場合によってはエンジンをかけたりする車両。走行距離はほぼ新車同様で、通常の新車より安く購入できました。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| SV650X ABS・2023年モデルのメーカー希望小売価格(税込) | 847,000円 |
| 僕が購入した車体価格 | 758,010円 |
| メーカー希望小売価格との差額 | 88,990円 |
メーカー希望小売価格より約9万円安く買えた計算です。ここで比較しているのは車体価格で、登録などの諸費用を含めた乗り出し総額ではありません。
2023年当時の無印SV650 ABSは税込803,000円。SV650Xとの価格差は44,000円でした。「無印のほうが数万円安かった」という記憶がありましたが、正確にはこの差額です。
出典:スズキ SV650X ABS・2023年1月カタログ、スズキ SV650 ABS・2023年1月カタログ。
大型バイクというと高価なイメージがありましたが、この価格で645ccのVツインと好きなスタイルが手に入る。僕にとっては、かなりお得に感じる買い物でした。
展示車なので、契約前の傷の確認はしておきたい
価格の安さは魅力ですが、展示されていた車両という点は意識したほうがいいと思います。いろいろな人が跨ったり触れたりするため、細かな傷が付いている可能性もあります。
僕なら、タンクやカウルなどの状態を契約前によく確認します。展示・始動の履歴や販売条件も車両ごとに確認して、納得して選びたいところです。
SV650Xのエンジンをレビュー|扱いやすいVツインと好きな排気音
SV650Xで一番印象に残っているのは、エンジンの扱いやすさです。
2023年モデルは、水冷645ccの90°Vツイン。最高出力は72PS/8,500rpm、最大トルクは63N・m/6,800rpmです。[スズキ公式カタログ]
数字だけ見て選んだわけではありませんが、乗ってみると、低回転からしっかりトルクがあって街中でも扱いやすい。一方で、回転を上げればきちんと大型バイクらしい加速感があります。
低回転だけが得意、高回転まで回さないと楽しくない、といった極端さがなく、幅広い回転域で使いやすい。
「本当に優等生なエンジンだな」というのが、1年間乗って残った感想です。
癖の少なさを、どう受け取るか
良く言えば、日本車らしい扱いやすさ。少し意地悪な言い方をすれば、優等生すぎて強烈な癖や味は薄い。僕には、そんなふうにも感じられました。
ただし、ドゥカティなどのVツインに乗った経験はないので、海外メーカーとの乗り比べではありません。あくまで、SV650Xに乗った僕自身の印象です。
乗り手がエンジンの癖に合わせて頑張るというより、自然に付き合いやすい。気軽に走りに出かけるには、この性格は大きな良さだと思います。
Vツインの「ドゥオォォン」という音が好きだった
エンジン特性は優等生ですが、排気音はかなり好きでした。
文字にすると、「ドゥオォォン」。うまく伝わるか分かりませんが、あの鼓動感のある音が気に入っていました。
並列2気筒にもいろいろな音がありますが、僕の好みとしては、SV650XのVツインサウンドのほうがしっくりきます。扱いやすさだけでなく、音を楽しめたことも印象に残っています。
SV650Xのセパハンとハンドリング|自分で曲げていく楽しさ
エンジンは素直でしたが、ハンドリングまで何もかも簡単、と感じたわけではありません。
SV650Xはセパレートハンドルを採用したモデル。僕が乗った感覚では、峠でヒラヒラと簡単に向きが変わるというより、自分から操作して曲げていくようなところがありました。
「意外と簡単には曲がらないな」と思う一方で、そこが面白くもありました。自分でバイクを操っている感覚があり、峠ではそのやり取りを楽しめました。
これは僕の乗り方や感じ方を含めた感想です。SV650Xが誰にとっても曲がりにくいとか、その原因がセパハンだけにあるとまでは言い切れません。
車重は199kg。でも車体はコンパクト
2023年モデルの装備重量は199kgで、おおよそ200kg。ホイールベースは1,450mmです。[スズキ公式カタログ]
ものすごく軽いバイク、というわけではありません。それでも、跨ったり走ったりしていると、車体そのものはかなりコンパクトに感じました。
コンパクトな車体の中に、ちゃんと大型バイクのエンジンが収まっている。このまとまりの良さも、僕が扱いやすいと感じた理由の一つだと思います。
SV650とSV650Xの違い|初めての大型ならどちらを選ぶ?

エンジンの扱いやすさから、SV650シリーズは初めての大型バイクの候補にもなると思います。ただ、僕が扱いやすさを優先してすすめるなら、無印のSV650です。
大きな違いは、ハンドルとそれに伴うライディングポジション。無印はバーハンドルで上体を起こしやすく、Xはセパハンで、より前傾する姿勢になります。
| 2023年モデル | SV650 ABS | SV650X ABS |
|---|---|---|
| メーカー希望小売価格(税込) | 803,000円 | 847,000円 |
| ハンドル | バーハンドル | セパレートハンドル |
| シート高 | 785mm | 790mm |
| 全幅 | 760mm | 730mm |
| シートの意匠 | フラットタイプ | タックロール |
| ヘッドライトカウル | なし | あり |
両車とも排気量645cc、最高出力72PS、装備重量199kg、ホイールベース1,450mm、タンク容量14L。Xはエンジンが強化された上位版というより、スタイルと乗る姿勢の違いで選ぶモデルです。出典:SV650公式カタログ、SV650X公式カタログ。
僕自身、Xでは少し積極的に操作する必要を感じたので、気負わず乗ることを優先する人には無印をすすめたいです。これは両車を同じ条件で乗り比べた結論ではなく、Xを所有した経験と装備・姿勢の違いからの意見です。
でも、「SV650Xの見た目が好きで、これに乗りたい」なら、最初からXを選んでいいと思います。僕も、その見た目に惹かれて買いました。好きな姿のバイクに乗る楽しさは、扱いやすさだけでは決められません。
SV650Xの実燃費は25〜27km/L|ツーリングでもうれしい長所
燃費の良さも、SV650Xの満足していたところです。
僕が実際に乗っていたときは、だいたい25〜27km/L。以前乗っていたNinja 400と、それほど変わらない感覚でした。
もちろん同じ条件で比較したわけではなく、自分の使い方での実感です。それでも、650ccの大型バイクでこのくらい走ってくれるなら十分うれしい。燃料代をそこまで気にせず、ツーリングに連れ出せるバイクでした。
SV650Xの積載性|シートバッグとサイドバッグでツーリングへ

カフェレーサースタイルなので、最初から積載性に大きな期待はしていませんでした。
ただ、シートバッグに小型のサイドバッグを組み合わせれば、簡単な3バッグのような構成でも使えました。写真のように荷物を載せて、ツーリングにも出かけています。
何も考えずに大量の荷物を積めるタイプではありませんが、バッグを工夫すれば十分使える。見た目を楽しむだけのバイクにはならず、実際のツーリングにも付き合ってくれました。
SV650Xの装備|ヘッドライトと発進を助ける機能
価格に魅力を感じた一方で、装備は豪華さを売りにしたものではありません。ヘッドライトはLEDではなく、昔ながらのバルブ式の丸型マルチリフレクターです。
ABSを備え、メーターは液晶式。走るために必要なものを、シンプルにまとめたバイクという印象でした。装備の確認資料:2023年SV650X公式カタログ、同年SV650公式カタログ(ヘッドライトのバルブ仕様)。
スズキイージースタートシステムは普通に便利
便利だったのが、スズキイージースタートシステム。スターターボタンを一度押すと、始動まで押し続けなくてもセルが回り、エンジンの始動を検知して自動で止まる仕組みです。
乗り味を大きく変えるものではありませんが、日常的に使う機能として普通に便利でした。
ローRPMアシストは、僕には介入が気になることも
ローRPMアシストは、エンジン回転数やギヤ、アクセル、クラッチの情報を使い、発進時や低回転走行時の回転の落ち込みを和らげる機能です。両機能の説明:スズキ公式・エンジンの装備解説(2023年カタログにも搭載を確認)。
発進に慣れていない人には、助けになる装備だと思います。ただし、絶対にエンストしなくなる機能というわけではありません。
僕はすでにバイクの運転に慣れていたので、「なくてもいいかな」というのが正直なところ。自分の操作に少し介入される感じがして、余計に感じることもありました。
初心者には心強くても、自分にはそれほど必要ではない。便利機能にも、乗り手によって受け取り方の違いがあるのだと思います。
気になったところ|テールランプの形は好みと違った

全体のフォルムは、今見ても格好いいと思います。もともと、そこに惹かれて買ったバイクです。
ただ、一つだけあまり好きではなかったのが、リアのテールランプ周辺のデザインでした。全体は好きなのに、後ろから見たときのランプの形だけは少し好みと違いました。
「ここはいつか変えたいな」と思っていたものの、結局テールランプを変更することはなく、そのまま1年間乗りました。
これは性能ではなく、完全に見た目の好みの話です。カフェレーサースタイルが気に入っていたからこそ、細かな部分も気になったのかもしれません。
SV650Xを1年で手放した理由|再び林道を走りたくなった
約1年間、約5,000km乗ったSV650Xは、その後売却しました。
短い所有期間だけを見ると、合わなかったのかと思われるかもしれません。でも、車両自体には満足していて、再びオフロードを走りたくなったことが大きな理由です。
KLX250に乗っていた頃は、汚すのを気にしすぎて林道へ行かなくなった。それでオンロードのSV650Xに乗り換えたのに、今度はオンロード中心の生活をしているうちに、林道が恋しくなってきました。
「やっぱり、また林道を走りたいな」
バイクをきれいに保つことばかり考えていた頃には離れてしまった遊びが、別のバイクに乗ってみると、また気になってくる。自分でも少し遠回りしたなと思います。
そうして僕は、SV650Xとの1年間を経て、再びオフロードバイクの方向へ戻ることになりました。
SV650Xの1年レビューを振り返って|このスタイルが好きな人へ
SV650Xは、手の届きやすい価格、燃費の良さ、扱いやすいエンジン、好きになれるVツインの音がそろった大型ミドルでした。
セパハンの乗り味や、自分で曲げていく感覚など、僕には少し特徴も感じられました。それでも、その操作感を面白いと思えたし、カフェレーサーに乗ってみたいという憧れもかなえてくれました。
扱いやすさを優先して初めての大型を選ぶなら、僕は無印SV650をすすめます。でも、このスタイルが好きなら、SV650Xを選ぶ価値は十分あると思います。
1年で手放した今も、いいバイクだったという気持ちは変わりません。僕にとってSV650Xは、憧れのカフェレーサースタイルを楽しみながら、自分がまた林道を走りたいと思っていることにも気づかせてくれた一台でした。


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